親の期待に応えられないプレッシャーで不登校に|当時中学1年生の女性が克服した体験

女性の不登校克服体験

今回は、親の期待に応えられないプレッシャーから不登校を経験した石川彩音さん(仮名・現在31歳)のエピソードをお届けします。

中学生になる前から重く感じていた親からの期待が、どのように彼女を追い詰め、その後どのようにして立ち直ることができたのかを詳しく伺いました。

同じような悩みを抱えている方に少しでも役立てば嬉しいです!

親の期待がもたらした重圧

――彩音さん、親の期待が重かったと感じるようになったのはいつ頃からですか?

「小学校の高学年くらいからですね。母が私の成績や習い事の成果に対してすごく厳しくなったんです。学校のテストで90点を取っても『次は満点を目指そう』って言われたり、習い事で先生に褒められても『まだ上には上がいる』って言われたりして…。そのたびに、もっと頑張らなきゃって思うようになりました」

――お母様の期待が特に強かったんですね。

「そうですね。母はとても真面目で、私にも同じように完璧であってほしいと思っていたんだと思います。でも、それが私にはプレッシャーになってしまって…。自分の気持ちよりも母の期待を優先することばかり考えていました」

不登校に至るまでの経緯

――学校に行けなくなったのはどのような経緯だったのでしょうか?

「中学に入ってからですね。成績が下がったり、部活で思うように結果が出なかったりして、母がどんどんイライラするようになったんです。『ちゃんとしなさい』とか『もっと努力しなきゃダメよ』と言われるたびに、自分がダメな人間に思えて…。ある日、学校に行こうとすると急にお腹が痛くなって、結局行けなくなりました」

――それが何度か続いたんですか?

「はい。そのうち朝になると体が動かなくなって…。最初は母に体調が悪いと言って休んでいましたが、実際は学校に行くのが怖かったんです。でもその理由を母に言う勇気はありませんでした」

不登校中の生活

――学校を休んでいる間はどのように過ごしていましたか?

「最初は家でずっと寝ていました。何をする気にもなれなくて…。テレビをつけても内容が頭に入らないし、スマホを見るとクラスの友達の楽しそうな投稿が目について余計に落ち込みました。昼過ぎに起きてボーッとする日々が続きました」

――孤独を感じることはありましたか?

「ものすごく感じていました。友達からの連絡もなくなって、どんどん孤立している気がしました。家族ともほとんど話さなくなって、部屋に引きこもる時間が増えていきました」

家族との関係の変化

――その頃、ご家族との関係はどのようなものでしたか?

「母とは毎日のようにぶつかっていました。『なんで学校に行けないの?』『甘えてるだけじゃないの?』って言われるたびに、自分がもっと情けなく感じて…。父はあまり口を出さないタイプだったので、母と私の間に入ってくれることもありませんでした」

――お母様との関係が改善するきっかけはありましたか?

「ある日、母が私の部屋に来て『どうしてこんなに辛いの?』って泣きながら聞いてきたんです。そのとき初めて、自分の気持ちを少しだけ話しました。それから母も少しずつ変わってくれて、無理に学校に行けとは言わなくなりました」

再起のきっかけ

――学校に戻るきっかけや前向きになるきっかけは何だったのでしょうか?

「母が地域のカウンセリングを調べてくれて、そこに通うようになったことが大きかったです。カウンセラーの先生が『自分の気持ちを無視し続けると、自分を見失うよ』って言ってくれて…。その言葉で初めて、自分の気持ちを優先していいんだと思えるようになりました」

――他に大きな変化はありましたか?

「フリースクールに通い始めたことですね。母が見つけてくれて、最初は行くのが怖かったですが、同じような経験をした子が多くて安心しました。そこでの経験が自信を取り戻すきっかけになりました」

新しい環境での挑戦

――フリースクールではどのようなことを学びましたか?

「勉強だけじゃなくて、アートや音楽の活動もありました。私は絵を描くのが好きだったので、アートの時間が一番楽しかったです。先生たちも優しくて、『無理しなくていいよ』と言ってくれるのが本当に救いでした」

高校進学を目指して

――通信制高校を選んだ理由を教えてください。

「自分のペースで勉強できるところが合っていると思ったからです。それに、フリースクールで一緒だった友達と一緒に進学したので心強かったです」

――高校生活はどうでしたか?

「とても楽しかったです。課題を一つずつ終わらせていくことで自信がつきましたし、通信制高校でも友達ができて、少しずつ前向きになれました」

社会人としての現在

――現在のお仕事について教えてください。

「今はデザインの仕事をしています。フリースクールで絵を描く楽しさを再発見したのがきっかけで、この道を選びました。自分の好きなことで仕事ができるのは幸せです」

――不登校の経験が現在に活きていると感じますか?

「すごく感じます。過去の自分を受け入れられるようになって、人の気持ちに寄り添う力がついたと思います。無理に完璧を目指さなくてもいいんだという考え方が、今の私を支えています」

同じ悩みを抱える人へのメッセージ

――親の期待やプレッシャーで悩む方に向けてメッセージをお願いします。

「自分の気持ちを無視しないでください。親の期待に応えられなくても、自分がダメな人間だと思う必要はありません。誰かに相談したり、新しい環境を探したりすることで、必ず楽になれる道が見つかります」

まとめ

石川さんのエピソードは、親の期待やプレッシャーで苦しんでいる方々にとって大きな希望になるでしょう。

自分らしさを取り戻すために、新しい道を探し続けた彼女の姿が、少しでも前を向くきっかけになれば嬉しいです!

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