家族の転勤で新しい学校に馴染めなかった高校時代|自己肯定感を取り戻し不登校を克服した女性の経験

女性の不登校克服体験

今回は、家族の転勤で新しい学校に馴染めず自己肯定感が低下し、不登校を経験した渡辺彩花さん(仮名・現在29歳)のエピソードをお届けします。

転校先での孤独感や自信の喪失を乗り越え、どのように立ち直っていったのか詳しく伺いました。

あなたにとって少しでも参考になれば嬉しいです!

転校がもたらした環境の変化

――彩花さん、転校したときの最初の印象を覚えていますか?

「すごく不安でしたね。前の学校では仲の良い友達もいて、居心地がよかったんです。でも転校先ではクラスの雰囲気が違って、みんなすでにグループができていて、どこにも入れない感じがしました。最初の自己紹介のときも、何を話せばいいのかわからずぎこちなくなってしまって…。それが原因かわからないですが、あまり話しかけてもらえませんでした」

――クラスで孤独を感じることはありましたか?

「毎日感じていました。授業中はまだいいんですが、休み時間になるとみんな友達同士で楽しそうに話しているのに、自分だけポツンといる感じがして…。どうやって話しかければいいのかわからなくて、スマホをいじるふりをしていました」

自己肯定感が低下していった経緯

――転校してから、自信がなくなったと感じる瞬間はありましたか?

「最初は『そのうち馴染めるかな』って思っていました。でも時間が経つにつれて、話す相手ができないままなのが辛くなってきました。それに、クラスの子たちがみんな勉強ができる子ばかりで、授業の内容についていくのも大変でした。前の学校では普通にできていたのに、転校先では『自分は何もできないんじゃないか』と思うようになってしまいました」

――周囲の視線も気になりましたか?

「気になりました。例えば、グループを作る授業で最後まで余ることがあって…。そういうとき、周りの子が『仕方ないから入れてあげる』みたいな雰囲気になっているのを感じて、すごく傷つきました。自分が邪魔者みたいに思えて、どんどん自分の存在価値を否定するようになりました」

不登校に至るまでの心の変化

――学校を休みたいと思い始めたのはいつ頃でしたか?

「2学期の途中くらいです。最初は『ちょっと風邪気味だから』って理由をつけて1日休んだんですが、それがすごく楽だったんです。学校に行かなくていいって思ったら、心が軽くなる感じがして…。次の日もまた休んで、そのまま行けなくなりました」

――家族には何か言いましたか?

「最初は『体調が悪い』って言っていました。でも何日も続くうちに母が心配し始めて、『何かあったの?』って聞かれました。だけど、どう説明すればいいのかわからなくて…。自分でも理由がうまく言えなくて、ただ『学校が辛い』としか言えませんでした」

不登校中の生活

――学校に行かない間、どんな生活をしていましたか?

「ほとんど部屋にこもっていました。最初のうちはテレビを見たりスマホをいじったりしていましたが、次第に何をしても楽しくなくなりました。SNSを見ると、同級生が楽しそうにしている投稿ばかりで、それを見てさらに落ち込んで…。時間が止まったような感覚でした」

――外出はしましたか?

「ほとんどしなかったです。外に出ると近所の人に会って『最近学校行ってる?』って聞かれそうで怖くて…。コンビニに行くのも家族に頼んでいました」

家族との関係の変化

――ご両親の反応はどうでしたか?

「最初は母が『無理しなくていいよ』って言ってくれていました。でも1か月くらい経つと『いつまで休むの?』って言われるようになって…。その言葉がすごく苦しくて、母の顔を見るのも嫌になっていました」

――そんな中で、ご家族との関係が変わるきっかけはありましたか?

「ある日、母が私の部屋に来て『学校に行くかどうかより、彩花が元気でいてくれるほうが大事だよ』って言ってくれたんです。そのとき初めて泣いてしまいました。母に抱きしめられて、久しぶりに少し安心した気持ちになりました」

自分を受け入れるきっかけ

――その後、どのようにして前向きになれたのですか?

「母がフリースクールを調べてくれて、行ってみようかと誘われたんです。最初はすごく嫌でした。でも母が『別に行けなくてもいいから、どんなところかだけ見に行こう』と言ってくれたので、見学だけなら…と思って行きました」

――フリースクールに行ってみて、どう感じましたか?

「思っていたより落ち着いた雰囲気で、すぐに馴染めそうな感じがありました。スタッフの人がすごく優しくて、『ここでは何もしなくてもいいよ』って言ってくれたのが嬉しかったです」

新しい環境での挑戦

――フリースクールではどんなことをしましたか?

「最初のうちはただ通うだけでした。でも少しずつ、スタッフの人や他の生徒と話すようになって…。そこで趣味だったイラストを描く機会があって、作品を見た先生が『すごくいいね』って褒めてくれたんです。それが自信につながりました」

社会人としての現在

――今のお仕事について教えてください。

「今はデザインの仕事をしています。あのときフリースクールで絵を褒められたことがきっかけで、自分にはできることがあるんだと気づけました。好きなことを仕事にできて、今は楽しく働けています」

同じ悩みを抱える人へのメッセージ

――最後に、今悩んでいる方へ伝えたいことはありますか?

「今はどん底のように感じても、絶対に抜け出せる道はあります。一人で抱え込まないで、誰かに話してみてください。無理に学校に行かなくても、自分に合った環境を見つければ大丈夫です」

まとめ

彩花さんの経験は、新しい環境に馴染めず悩む方々にとって大きな励みになるでしょう。

自分に合った場所を見つけて少しずつ前に進むことで、新しい道が開けることを教えてくれるエピソードでした!

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