今回は、担任教師との相性が悪かったことが原因で不登校になり、その後自分らしい道を歩み始めた小林麻衣さん(仮名・現在29歳)のエピソードをお届けします。
14歳のときに学校生活で抱えた悩みとどう向き合い、それを乗り越えたのかを詳しく伺いました。

少しでも希望を持ってもらえる内容になればと思います!
担任教師との関係が不登校の引き金に
――麻衣さん、担任教師との相性が悪かったと伺いましたが、具体的にはどのような出来事があったのでしょうか?
「中学2年生のときに担任が変わったんですが、その先生はとても厳しい人で…。最初の頃はただ怖いだけだったんですけど、授業中に『ちゃんとノートを取ってないんじゃないの?』とか『麻衣さん、また間違えたね』ってみんなの前で言われることが増えて、それが辛くなりました」
――周りのクラスメイトはどのような反応でしたか?
「表立って笑ったりすることはなかったんですが、なんとなく周囲の視線が気になるようになりました。だんだん自分がクラスで浮いているような気がしてきて、授業中も何をするにも緊張していました」
不登校に至るまでの経緯
――学校に行けなくなったのはどのタイミングからでしたか?
「2年生の2学期くらいからです。ある日、その先生が『どうしてこんな簡単なこともできないの?』って強い口調で言ったんです。それが本当にショックで…。次の日、学校に行こうと思ったんですけど玄関で体が動かなくなってしまいました。その日から少しずつ行けなくなっていきました」
――ご家族には何か相談されましたか?
「最初は体調が悪いとだけ伝えていました。母は心配してくれましたが、『なんで学校に行けないの?』って聞かれるのが怖くて、理由を話せませんでした。そのうち、家にいることが当たり前のようになってしまいました」
不登校中の生活と孤独
――学校を休んでいる間、どのように過ごしていましたか?
「最初の頃は家でずっと寝ているだけでした。テレビを見ても内容が頭に入らないし、スマホを見ると友達の投稿が目に入って余計に落ち込むばかりでした。何をしても楽しくなくて、自分だけが止まっているような気がしていました」
――友人との関係はどうでしたか?
「最初は『学校で何があったの?』とか連絡をくれる友達もいました。でも、うまく説明できなくて返事もしなくなって…。そのうち誰からも連絡が来なくなって、本当に孤独を感じました」
家族との関係の変化
――その頃、ご家族との関係はどのような状況だったのでしょうか?
「母とはよく衝突していました。母もどうしていいか分からなかったみたいで、『何とかして学校に行ってくれない?』と言われることが多かったです。そのたびに自分がダメな人間だと思ってしまって、どんどん話せなくなりました」
――お父さんや他の家族はどうでしたか?
「父はあまり何も言わなかったんですけど、ある日『外に出てみたらどうだ?』って散歩に誘ってくれて。そのときに少しだけ気持ちが楽になったのを覚えています。姉とは時々話していて、『焦らなくていいよ』って言われたのが救いでした」
再起のきっかけ
――そこから、どのようにして立ち直るきっかけを掴まれたのでしょうか?
「母が地域のカウンセリングを調べてくれて、最初は渋々でしたが行ってみることにしました。そこでカウンセラーの先生が『無理に学校に戻る必要はないよ』と言ってくれて、その言葉にすごく救われました」
――他に何かきっかけになった出来事はありましたか?
「母がフリースクールを勧めてくれて見学に行ったんです。同じように学校に行けなかった子たちがいて、自分だけじゃないんだって思えました。それが本当に大きかったです」
新しい環境での挑戦
――フリースクールではどのような生活を送られていましたか?
「毎日通うわけではなく、自分のペースで通えるのが良かったです。先生たちも優しくて、『今日は何がしたい?』って聞いてくれるのでプレッシャーが全くありませんでした。友達もできて、初めて安心して過ごせる場所を見つけた気がしました」
高校進学への決意
――通信制高校に進学されたとのことですが、その理由は何だったのでしょうか?
「フリースクールで自信を取り戻せたことが大きかったです。通学しなくても自分で学べる環境があると知って、挑戦してみようと思いました」
――高校生活はいかがでしたか?
「とても楽しかったです。課題を自分で進めるのは難しい部分もありましたが、先生が親身にサポートしてくれて何とか乗り越えました。新しい友達もできて、少しずつ自分にも自信が持てるようになりました」
社会人としての現在
――現在のお仕事について教えてください。
「今は接客業をしています。人と話すことが好きだと気づいたので、その特技を活かしたいと思いました。最初は緊張しましたが、少しずつお客様と笑顔で話せるようになりました」
――不登校の経験が現在の生活に活きていると感じる場面はありますか?
「ありますね。同僚が悩んでいるときにすぐ声をかけられるのは、過去に自分も悩んでいたからだと思います」
同じ悩みを持つ人へのメッセージ
――最後に、担任との相性や不登校で悩む方に向けてメッセージをお願いします。
「無理に学校に行かなくてもいいと思います。自分に合った環境を探せば、必ず安心して過ごせる場所は見つかるはずです。一人で悩まず、誰かに相談してみてください。きっと気持ちが軽くなるはずです」
まとめ
麻衣さんの経験は、担任教師との関係や学校生活に悩む方々にとって勇気を与えるものです。
不登校を経て新しい道を見つけた彼女の姿から、多くの方が前向きな一歩を踏み出せるきっかけを得られるでしょう。

このお話が支えになれば嬉しいです!