今回は、自分の容姿へのコンプレックスが原因で不登校を経験した山田拓也さん(仮名・現在23歳)のエピソードをお届けします。
小学校高学年から中学生にかけて、容姿に対する周囲の言葉がきっかけで学校生活が辛くなり、不登校に至った拓也さんが、どのように自分を受け入れ、新しい道を見つけていったのかを伺いました。

もしあなたが同じような悩みを抱えていたら、役立つ内容になれば嬉しいです!
容姿コンプレックスが生まれた背景
――拓也さん、容姿への悩みが大きくなったのはいつ頃からですか?
「小学校の高学年くらいからですね。クラスの子に何気なく『顔が大きいね』とか『なんか太った?』って言われることが増えたんです。最初は冗談だと思っていたんですが、それがどんどん繰り返されると気になってしまって…。鏡を見るたびにその言葉を思い出して、自分の顔や体が嫌いになっていきました」
――それが中学校に進学してからさらに強くなったのでしょうか?
「そうです。中学になると、みんなオシャレに気を使ったり、異性の目を気にするようになったじゃないですか。そんな中で自分だけがダサいとか、かっこよくないって言われることが本当に恥ずかしくて…。体育の時間とかも嫌で、なるべく目立たないようにしていました」
不登校に至るまでの経緯
――学校を休むようになったのはどんな経緯だったのでしょうか?
「中学1年生の夏休み明けからです。夏休み中に少し太ったんですよ。それを見たクラスの子に『デブじゃん』って言われたのがすごくショックで…。その日の夜、次の日に学校に行くのが怖くなってしまいました」
――それが何度も続くようになったんですか?
「はい。一度休むと余計に学校に行きづらくなって、親にも『頭が痛い』とか『お腹が痛い』と言って休む理由を作っていました。でも本当は、また容姿のことで何か言われるんじゃないかと思って怖かったんです」
不登校中の生活
――学校を休んでいる間、どのように過ごしていましたか?
「最初はずっと家でゲームをしていました。でも、だんだん何も楽しくなくなってきて…。スマホを見るとクラスの子たちが楽しそうにしている投稿があって、それを見るたびに自分だけが取り残されている気がして辛くなりました。部屋に閉じこもって、何もしたくない日が続きました」
――その頃、ご家族との関係はどうでしたか?
「母はすごく心配してくれていたんですが、何度も休むうちにイライラしてきたみたいで『いつまで学校休むつもり?』って言われることが増えました。父はあまり何も言わずに放っておいてくれた感じでした」
家族との関係の変化
――その後、ご家族との関係で何か変化があった出来事はありましたか?
「母がある日、『学校に行かなくてもいいから何か話して』って言ってきたんです。そのとき、少しだけ自分の気持ちを話しました。自分の顔や体が嫌で学校に行きたくないって話したら、母が泣きながら『それでも拓也は拓也だよ』って言ってくれて…。それがすごく嬉しくて、少しずつ気持ちが軽くなりました」
再起のきっかけ
――学校以外の選択肢を探し始めたのはその後ですか?
「そうです。母がフリースクールを調べてくれて、そこに通い始めました。最初はすごく緊張しましたが、先生が『ここでは誰も他人を評価しないから安心してね』と言ってくれて…。その言葉に救われた気がしました」
新しい環境での挑戦
――フリースクールではどのような経験をされましたか?
「自分の好きなことを見つける時間がたくさんありました。絵を描くのが好きだったので、それを先生が褒めてくれたときに初めて自信を持てた気がします。同じように悩んでいる仲間がいたことも心強かったです」
高校進学への挑戦
――通信制高校を選んだ理由を教えてください。
「自分のペースで勉強できるところが自分に合っていると思ったからです。それに、フリースクールで仲良くなった友達も進学する予定だったので、安心感がありました」
――高校生活で印象に残っていることはありますか?
「美術の授業で描いた絵が学校の展示会に出されたことです。それを見た先生や友達が褒めてくれて、初めて自分のことを肯定できた気がしました」
社会人としての現在
――現在はどのようなお仕事をされていますか?
「今はイラストレーターとして働いています。フリースクールや高校で得たスキルを活かして、自分の好きなことで仕事ができるのは本当に幸せです」
――不登校時代の経験が今に活かされていると感じることはありますか?
「あります。自分を受け入れることができたからこそ、人の気持ちにも寄り添えるようになったと思います。過去の自分があったから今の自分があると感じています」
同じ悩みを抱える人へのメッセージ
――容姿の悩みで苦しんでいる方に向けてメッセージをお願いします。
「誰かと比べる必要はありません。自分の良いところに目を向けてみてください。最初は難しいかもしれませんが、誰かに話すだけで気持ちが楽になることもあります。一人で抱え込まずに、少しずつ前に進んでください」
まとめ
山田さんのエピソードは、容姿に悩む方や不登校を経験している方にとって大きな励みになるでしょう。

自分を受け入れ、得意なことを見つけて未来を切り開いた彼の物語が、少しでもあなたの希望となれば嬉しいです!