今回は、学校に嫌いな先生がいたことで不登校を経験し、その後自分らしい道を見つけた松本陽介さん(仮名・現在26歳)のエピソードを紹介します。
中学2年生のときに抱えた深い悩みから、どうやって乗り越えたのか、彼の経験を伺いました。

同じような状況にある方にとって少しでも参考になればと思います!
嫌いな先生との関係が原因に
――陽介さん、学校に嫌いな先生がいたことで悩まれたと伺いましたが、どのようなきっかけでその先生が苦手だと感じたのでしょうか?
「中学1年生のときからその先生は担任だったんですけど、最初の印象はそんなに悪くなかったんです。ただ、授業中に少し発言を間違えたときに、『それくらいも分からないのか?』みたいに笑われたんです。それがショックで…。それ以降、何をしてもその先生に否定されるんじゃないかって思うようになりました」
――具体的にはどのような場面が辛かったですか?
「授業中に名前を呼ばれて答えなきゃいけない場面が本当に嫌でした。うまく答えられないと、『ちゃんと勉強してないからだ』みたいに言われて、クラス全員の前で恥をかかされた気がして…。それが毎回続くうちに、その先生の授業がある日は朝から憂鬱になっていました」
不登校に至るまでの流れ
――不登校になるきっかけはどのようなものでしたか?
「2年生の2学期くらいからです。その先生が担任のままだったんですが、授業中のやりとりがますます辛くなって…。ある日、どうしても教室に入りたくなくて、学校の前で足が止まってしまったんです。その日はそのまま家に帰ってしまって、翌日も行けなくなりました」
――そのとき、ご家族には何か相談されましたか?
「親には正直に言えなかったですね。『学校に行きたくない』とだけ伝えたんですけど、理由を聞かれると何も答えられなくて。結局、体調が悪いとか適当な理由をつけて休むようになりました」
不登校中の生活
――学校を休むようになってから、どのように過ごしていましたか?
「最初はただ家でぼーっとしているだけでした。テレビを見ても楽しくないし、スマホを見ると友達の投稿が目に入って辛くなるし…。友達とも疎遠になって、一人でいる時間が増えました。自分がダメな人間だと思うことばかりで、何もする気が起きなかったです」
――その中で特に辛かったことは何ですか?
「親との関係がぎくしゃくしたことです。最初は心配してくれていたんですけど、だんだん『どうして行けないの?』とか『もっと頑張りなさい』みたいな言葉が増えてきて…。それを聞くと余計に追い詰められた気持ちになりました」
家族との関係
――その頃、ご家族とのコミュニケーションはどのような状況だったのでしょうか?
「母とは毎日のように言い合いになっていました。母もどうしたらいいのか分からなかったと思うんですけど、『将来どうするの?』とか『今のままでいいと思ってるの?』みたいに聞かれると、自分が責められている気がして…。でも、父はあまり何も言わない人で、たまに『まあ焦らなくていいよ』って言ってくれるのが救いでした」
再起のきっかけ
――そこから、どのようにして再び立ち直るきっかけを掴んだのでしょうか?
「母が地元のカウンセリングを勧めてくれたんです。最初は抵抗があったんですけど、一度行ってみたら、先生がすごく親身に話を聞いてくれて。『無理に学校に戻らなくてもいいけど、自分にとって安心できる場所を見つけよう』って言われて、気持ちが少し軽くなりました」
――他に何か心が動いた出来事はありましたか?
「親戚のお兄さんが、自分も中学のときに学校に行けなくなったことがあるって話してくれて。そのとき、『俺もこんな経験をしたけど大丈夫だった』って言われて、初めて『こういう経験をしてる人は他にもいるんだ』って思えたんです」
新しい環境での挑戦
――その後、フリースクールに通われたと伺いましたが、そこではどのような生活をされましたか?
「最初はすごく緊張しました。でも、そこではみんなが自分のペースで過ごしていて、何もしなくても責められることがないんです。それがすごく安心できて、少しずつ自分も人と話せるようになりました。勉強も自分のペースで進められるし、友達もできて楽しかったです」
高校進学への挑戦
――高校進学を決めた理由は何だったのでしょうか?
「フリースクールで自信を取り戻せたのが大きかったです。『もう一度頑張ってみよう』と思えるようになって、通信制高校を選びました。無理なく自分のペースで進められるのが魅力的でした」
――実際に通ってみていかがでしたか?
「最初は不安でしたけど、先生もすごく優しくて、『ここでならやっていける』って思えました。課題を一つ一つクリアするたびに自信がついて、勉強が楽しいと思えるようになりました」
社会人としての現在
――現在のお仕事について教えてください。
「今はIT関連の仕事をしています。もともとパソコンに興味があったので、そのスキルを活かせる仕事がしたいと思って選びました。仕事は大変ですけど、自分で何かを作り上げる達成感があってやりがいを感じています」
――不登校の経験が今の仕事に活かされていると感じる場面はありますか?
「はい、困っている人の気持ちに寄り添えるのは、不登校の経験があったからだと思います。自分があのとき感じた辛さを思い出すと、自然と相手の立場に立てる気がします」
同じ悩みを抱える人へのアドバイス
――最後に、嫌いな先生との関係で悩む方に向けてメッセージをお願いします。
「自分が辛いと思う気持ちは無理に我慢しなくていいです。周りに相談するのが怖いかもしれませんが、話を聞いてくれる人は必ずいます。無理をせず、自分が安心できる環境を探してみてください」
まとめ
松本さんの経験は、学校での人間関係に悩む方にとって大きなヒントになるはずです。
不登校を経て自分の居場所を見つけ、今では新しい生活を楽しんでいる彼の姿から、多くの人が前向きな一歩を踏み出すきっかけを得られるでしょう。

このエピソードがあなたの背中を押すことを願っています!