今回は、部活動のストレスをきっかけに不登校となり、その後新しい人生の道を見つけた渡辺蓮さん(仮名・現在24歳)のエピソードを紹介します。
13歳のときに苦しい選択を迫られながらも、自分らしい生き方を模索し、今では社会人として活躍する蓮さんに、当時の心境や克服までの道のりについて伺いました。

同じような悩みを抱える方々に少しでも力を与えられる内容になれば嬉しいです。
不登校に至るまでの経緯
――部活動のストレスが原因で不登校になったとのことですが、具体的にどのような状況だったのか教えて下さい。
「中学1年生のときにサッカー部に入ったんですけど、上下関係がすごく厳しくて、先輩たちの目を常に気にしていました。最初は楽しかったんですが、ミスをすると叱られるばかりで、だんだん練習が怖くなってきたんです」
――先生や親御さんにはその状況を相談されましたか?
「先生には全然言えなかったです。叱られるのが当たり前っていう雰囲気だったので。でも、家では何度か母に『部活が辛い』って話したことがありました。でも母もどうしていいか分からないみたいで、『とりあえず頑張りなさい』って言われて、余計に追い詰められました」
不登校中の生活と心情の変化
――学校を休むようになったとき、どんな気持ちでしたか?
「最初は『部活がないから楽だ』って思ったんですけど、それもほんの数日だけでした。次第に罪悪感や孤独感が強くなって、『自分はダメなんだ』って思い込むようになりました。友達とも距離ができて、誰とも話さない日が増えていきました」
――外に出る機会はありましたか?
「ほとんど家にこもっていました。外に出ると部活のメンバーやクラスの人に会うかもしれないって思うと怖くて。母が何かと理由をつけて外に連れ出そうとしてくれたんですけど、無理でした」
克服の第一歩を踏み出した瞬間
――そこから、少しずつ前に進むきっかけは何だったのでしょう?
「母がフリースクールのチラシを持ってきてくれたんです。最初は嫌だったんですけど、『とりあえず行ってみるだけでもいい』って言われて、行ってみたんです。そこでは同じような境遇の子がいて、初めて自分の気持ちを理解してもらえた気がしました」
――その場ではどんな経験をされましたか?
「一番印象に残っているのは、みんなで話をする時間ですね。部活のこととか、学校での辛い思い出を話すと、誰も否定しないで聞いてくれました。それがすごく心の支えになったんです」
新しい環境への挑戦
――フリースクールでの経験が蓮さんをどう変えましたか?
「少しずつですが、自信がつきました。例えば、簡単なボランティア活動を通して誰かの役に立てるんだって思えるようになったり、他の子たちと一緒にプロジェクトを進める中で、自分も大丈夫なんだって感じられるようになりました」
高校進学への決意と努力
――中学卒業後の進路はどのように決められたんですか?
「中学3年生のときに進路を考える面談があったんですけど、その時点でまだ自信がなかったんです。でもフリースクールの先生が『通信制の高校なら、自分のペースで学べるよ』って勧めてくれて、そのアドバイスを信じて通信制高校に進みました」
――高校生活はいかがでしたか?
「通信制高校では、授業がオンラインだったり、たまにスクーリングがあったりで、自分のペースを大事にできました。それに、いろんな年齢やバックグラウンドを持つ生徒がいたので、自然といろんな考え方を受け入れられるようになりました」
社会人としての現在
――現在のお仕事について教えて下さい。
「今はIT関連の会社でサポート業務をしています。特に新人の教育やお客様の相談対応をすることが多いです。自分も人に助けられてきたので、誰かの力になれるのが嬉しいです」
――不登校の経験が仕事に活きていると感じることはありますか?
「ありますね。たとえば、新人が失敗して落ち込んでいるときに、『大丈夫だよ』って言えるのは、自分が経験したからこそだと思います」
不登校経験を通して得た学び
――振り返ってみて、不登校を経験したからこそ分かったことはありますか?
「無理して続けることが全てではないって気づきました。それに、自分を否定しないで受け入れる大切さを学びました」
同じ悩みを抱える人へのメッセージ
――最後に、同じように悩んでいる人へメッセージをお願いします。
「辛いときは無理に頑張らなくてもいいと思います。一人で抱え込まずに、少しでも信頼できる人に話を聞いてもらうだけで楽になることがあります」
まとめ
渡辺さんの体験は、部活動のストレスから不登校を経験した多くの人にとって共感できる内容ではないでしょうか。
不登校を克服し、新しい人生を歩む彼の話から、誰もが自分らしく生きる方法を見つけられると感じました。

このエピソードが同じ悩みを抱える方にとって少しでも役立つものになれば幸いです!