今回は、体育が苦手だったことが原因で不登校を経験した石山翔さん(仮名・現在27歳)のインタビューをお届けします。
中学生時代に体育の授業が引き金となり、学校生活に苦痛を感じるようになった翔さんが、どのようにその状況を克服し、新しい未来を切り開いたのかを伺いました。

同じ悩みを抱える方にとって少しでも参考になればと思います!
体育が苦手だった石山さんの背景
――翔さん、体育が苦手だったことが不登校のきっかけになったと伺いましたが、いつ頃から体育が苦手だと感じるようになったのでしょうか?
「小学生の頃から苦手意識はありましたね。かけっこでいつもビリだったり、球技でミスをするとみんなから笑われたりして…。でも、中学に入るとそれがもっと辛くなりました。特に先生がみんなの前でできないことを指摘することが多くて、それが恥ずかしくて嫌でした」
――どのような場面で特に苦痛を感じていましたか?
「体育の時間にクラス全員が見ている中で、跳び箱やマット運動をやらされるのが一番辛かったです。自分ができないことでみんなが失笑するのを感じて、恥ずかしさでいっぱいでした」
不登校に至るまでの経緯
――学校を休むようになったのはどのタイミングからでしたか?
「中学1年生の後半くらいからです。体育の授業がある日は朝からお腹が痛くなるような気がして、学校に行くのが怖くなりました。最初は体調不良を理由に休んでいたんですが、だんだんそのまま行けなくなってしまいました」
――その時、ご家族にはどのように話していたのでしょうか?
「母には『お腹が痛い』とか『頭が痛い』と言っていました。本当の理由を話す勇気はありませんでしたね。母は最初、ただの風邪だと思っていたみたいで、『学校は休んでも大丈夫よ』って軽く言ってくれました」
不登校中の生活
――学校を休んでいる間、どのように過ごしていましたか?
「最初の頃は昼まで寝て、午後はゲームをしていました。でも、だんだんと何をしても楽しくなくなって、部屋でぼーっとしていることが増えました。家族が出かけている間にこっそり外に出ることはありましたが、近所の人に会うのが怖くて、あまり外にも出ませんでした」
――その時期、孤独を感じていましたか?
「すごく感じていました。友達から連絡が来ることもなくなり、自分が社会から取り残されている気がしました。一人でいる時間が増えると、余計に自分を責める気持ちが強くなってしまいました」
家族との関係の変化
――ご家族はその頃どのように接していましたか?
「母は最初すごく心配してくれていました。でも、私が理由を話さないので、だんだんイライラすることが増えてきて『いつまで学校休むつもり?』って言われるようになりました。父はあまり何も言わず、遠くから見守っている感じでした」
――家族のサポートが心の支えになった瞬間はありましたか?
「ある日、父が『たまには外に出てみるか』と言って一緒に散歩に誘ってくれたんです。その時、無理に何かを言わせようとせず、ただ一緒に歩いてくれるだけで気持ちが楽になりました。これがきっかけで家族に少しずつ本音を話せるようになりました」
再起のきっかけ
――学校に戻るきっかけや気持ちが変わった出来事は何だったのでしょうか?
「母がカウンセリングを調べてくれて、そこに通い始めたことが大きかったです。カウンセラーの先生が『体育が苦手でも他に得意なことがあればいいじゃない』って言ってくれたんです。その言葉にすごく救われました」
――他にどんなきっかけがありましたか?
「親戚が紹介してくれたフリースクールも大きかったです。最初は行くのが怖かったですが、行ってみたら自分と同じように学校に行けなくなった子がいて、安心しました」
新しい環境での挑戦
――フリースクールではどのような生活を送っていましたか?
「毎日通う必要はなく、自分のペースで参加できるのが良かったです。先生たちも親身になってくれて、『今日は何をしてみたい?』と聞いてくれました。絵を描くのが好きだったので、アートの授業を中心に受けていました」
高校進学への道
――通信制高校を選ばれた理由を教えてください。
「自分のペースで勉強できる環境が合っていると思ったからです。学校に行かなくても課題を提出すれば単位が取れるので、無理なく続けられました」
――高校生活で特に印象に残っていることは何ですか?
「初めて自分が興味を持てる授業に出会えたことです。特にデザインの授業が楽しくて、自分の作品が評価されたときはとても嬉しかったです」
社会人としての現在
――現在のお仕事について教えてください。
「今はグラフィックデザイナーをしています。高校の授業でデザインに興味を持ったのがきっかけで、そのまま専門学校に進みました。仕事で自分の作品が形になるのがやりがいです」
――不登校の経験が現在の生活に影響を与えていますか?
「はい。過去の自分を受け入れることで、人の気持ちに寄り添う力がついたと思います。苦手なことにこだわらず、自分が得意なことに集中する大切さを学びました」
同じ悩みを抱える人へのメッセージ
――体育や学校生活で悩む方に向けてメッセージをお願いします。
「無理に苦手なことを克服しようとしなくてもいいと思います。自分の得意なことを見つけて、それを伸ばしていく方が楽しいです。一人で悩まず、誰かに相談することで気持ちが軽くなることもあります」
まとめ
翔さんのエピソードは、体育が苦手で学校生活に悩む方々にとって大きな励みになるはずです。

自分のペースで新しい環境を探し、得意なことを活かして未来を切り開いた彼の姿から、多くの方が前向きな一歩を踏み出せるきっかけを見つけてみて下さい!