今回は、友人関係のトラブルが原因で不登校となり、その後自分らしい人生を見つけた山本杏奈さん(仮名・現在22歳)のエピソードを紹介します。
中学時代に経験した辛さや、その後どのように立ち直り、未来を切り開いていったのかを伺いました。

同じような悩みを持つ方々に少しでも寄り添えたらと思います!
友人関係のトラブルがきっかけに
――杏奈さん、中学時代に友人関係のトラブルで悩まれたと伺いましたが、どのような出来事だったのでしょうか?
「中学1年生の頃はすごく仲良しのグループがあったんです。でも、2年生になると少しずつ雰囲気が変わってきて、誰かが他の子の悪口を言うようになったんですよね。それが原因でグループ内がギクシャクし始めて、私もその中で巻き込まれる形になりました」
――そのトラブルはどのようにエスカレートしていったのですか?
「ある日、些細なことで口論になってしまって、それをきっかけに無視されるようになったんです。最初は気のせいかなと思ったんですけど、次第に明らかに避けられている感じがして…。教室に入るのも嫌になりました」
不登校に至るまでの流れ
――それが原因で学校に行けなくなったのですね。そのときの気持ちはどうでしたか?
「最初はすごく迷いました。でもある朝、教室のドアの前に立った瞬間に足が動かなくなってしまって。『今日だけ休もう』と思って家に戻ったんですけど、そのまま行けなくなりました。誰にも話せなくて、一人で抱え込んでいました」
――先生や親に相談しようとは思いませんでしたか?
「思ったんですけど、親には心配をかけたくなくて、先生には何を言われるか怖かったんです。『なんでちゃんとやらないの?』って言われるんじゃないかって思ってました」
不登校中の生活と葛藤
――学校を休んでいる間、どのように過ごしていましたか?
「最初の頃はただ寝ているだけでした。起きても何もやる気が起きなくて、一日中布団の中にいることもありました。友達からの連絡が来ることもあったんですけど、返事をするのが怖くて…。そのうち連絡も来なくなって、どんどん孤立していきました」
――その時期、特に辛かったことは何ですか?
「SNSを見るのが一番辛かったです。みんなが楽しそうに遊んでいる写真を見て、『自分だけがこんなに孤独なんだ』って感じてしまいました。家族とも会話が減って、家にいても居場所がない気がしました」
家族との関係の変化
――ご家族は杏奈さんの状況に気づいていましたか?
「母は気づいていたと思います。でも最初はどう接していいかわからなかったみたいで、『なんで学校行かないの?』とか『ちゃんとしなさい』って言われることが多かったんです。それが余計にプレッシャーになって、口論になることも増えました」
――他の家族の反応はどうでしたか?
「父はあまり多くを語らない人なんですけど、何も言わずにお菓子を買ってきてくれたり、私の好きな番組を一緒に見てくれたりしました。それがすごく嬉しくて、少しずつ安心感を取り戻しました」
再起のきっかけ
――そこから、どのようにして立ち直るきっかけを掴んだのでしょうか?
「ある日、昔の友達から手紙が届いたんです。『ずっと心配してるよ』って書いてあって、思わず泣いてしまいました。それがすごく心に響いて、『このままじゃダメだな』って思うようになりました」
――他に何か転機となった出来事はありましたか?
「カウンセリングを受けたことも大きかったです。最初は抵抗があったんですけど、先生が『自分のペースで大丈夫だよ』って言ってくれて、少しずつ心が軽くなっていきました。それから母ともじっくり話すようになり、少しずつ前を向けるようになりました」
新しい環境での挑戦
――その後、フリースクールに通われたと伺いましたが、そのきっかけは?
「母が見つけてきてくれて、一緒に見学に行ったんです。そこでは同じように学校に行けなくなった子たちがいて、『ここなら大丈夫かも』って思えたんです。それで通うことを決めました」
――フリースクールではどのような生活を送っていましたか?
「とにかく安心できる環境でした。みんなが自分のペースで過ごしていて、私も勉強だけでなく趣味にも挑戦できるようになりました。友達もできて、本当に楽しかったです」
高校進学への選択と努力
――その後、高校進学を決意された理由を教えてください。
「フリースクールで自信をつけたことで、『また勉強してみたい』って思うようになったんです。それで通信制高校を選びました。自分のペースで学べるのが魅力的でした」
――高校生活はいかがでしたか?
「初めは緊張しましたけど、先生やクラスメイトが優しくてすぐに馴染めました。スクーリングで直接会う機会もあって、そこで友達が増えたのが嬉しかったです」
社会人としての現在
――現在はどのようなお仕事をされていますか?
「今は福祉関係の仕事をしています。私が辛いときに支えてくれた人たちのおかげで今があるので、今度は私が誰かの役に立てる仕事をしたいと思ったんです」
――不登校の経験が活きていると感じる場面はありますか?
「ありますね。特に悩んでいる人の気持ちに寄り添えるようになったのは、自分が経験してきたからだと思います」
同じ経験をしている人へのアドバイス
――最後に、友人関係で悩んでいる方に向けてメッセージをお願いします。
「無理に頑張らなくても大丈夫です。誰かに話すだけで気持ちが軽くなることもありますし、環境を変えるだけで自分の居場所が見つかることもあります。一人で抱え込まず、少しずつでいいので前に進んでみてください」
まとめ
山本さんの経験は、友人関係のトラブルで悩む方々にとって大きなヒントになるはずです。
不登校から新しい環境を見つけ、自分らしさを取り戻した彼女の姿から、多くの人が新しい一歩を踏み出す勇気を得られるでしょう。

このお話が少しでも誰かの力になれば嬉しいです!